「ここに用があるって珍しいね?ていうか初めてみる人だ?なに、もしかしてスパイ?」
「えっスパイ?何の話…ですか?」
突然現れて突拍子もないことを言い出した彼は
ニコニコしては居るもののさっきからずっと警戒態勢だ。
怖、めっちゃ裏あるタイプっぽい…。
こういう表ではニコニコしつつ警戒を解かない人って裏ではDVとかしてんだよな、まじ最低。
と彼のことを知りもしないのに考えている私もかなり最低である、反省。
透き通るような黒い目にふわりとした黒髪。色白で華奢で身長はそんなに高くは見えない。
まつげが長くて女の子みたいだ…。
…でもなんとなく分かる。
この人は普通の人じゃない。
…ついでに女の子でもない、うん。
気が緩んでいたからって、声をかけられるまで全く存在に気が付けないなんて…!
白河組で英才教育を受けてきた時期組長の私に気配を悟らせないなんて…!!
ふっ‥やるなお主!
ってお主!‥っじゃなくて!!
ていうかスパイってなんの話!?
只者じゃない上に不思議君なの!?
「うん…この子は何も知らないか…」
彼は小さく呟くと笑顔がパッと裏のないものに変わった。
「ごめんごめん!ここで人を見かけることってないからびっくりしてさぁ‥。ところで君初めて見るけどどこの人?どしたの?なんでここにいるの?この学校の人?どこのクラス?名前は?」
