月明かりも届かない




暗闇に包まれた路地裏に




コツン…コツン…




足音が響く




「おいおいおいおい!俺たちの縄張りに入ってくるたぁ…誰だてめぇ?」




「誰だか知んないけどここ、俺達が遊んでるからさ、引き返してくんない?」





コツン…コツン




足音はやまない





「ねぇ、聞いてんの?俺達が遊んでるっtッ…!!




「おい…どうした?……ッ!!」




不良達は皆




そこに現れた闇に浮かぶ純白に息を呑んだ




真っ白な髪



透明な目



透き通った肌



白いシャツ




天使と見間違う様な佇まい。





天使はゆっくりと見下ろして言った。

 



『 どけ』





たった一言





一言でそこにいた不良集団を制圧し





純白の彼女は




闇に紛れて去って行った…