『またお話しにきてね』とお姉さんに見送られ、内科病棟にきた私は、個室に入った。
検査着に着替えて待つように言われたけど、パジャマじゃないんだ。
多分一番小さいサイズのを用意してくれたんだろうけど、それでもぶかぶか。
身長144センチの私は、Sサイズの服を着ても大きいんだよね。
「はるちゃん、着替えた?」
入口のドアがノックされて聞こえた声は、知ってる声。
「着替えたよ。野田さん?」
ドアを開けながら外を見ると、やっぱり野田さん。
前回の検査入院までは小児科にいたはずの看護師さん。
「そう、野田だよー。
この4月から内科に異動したの。これからもよろしくね」
「こちらこそです。
あ、お母さんが看護師さんによろしくって言ってました」
野田さんは、私が赤ちゃんの頃からお世話になってる、一番付き合いの長い看護師さん。
途中で野田さんの産休があったりでいない時期もあったけど、また戻ってきてくれたときは嬉しかったなぁ。
「あ、今日は一人で来たらしいじゃん。
さすが高校生、もう大人だね」
野田さんと一緒に検査室に向かいながら、少しのおしゃべり。
この時間がけっこう好きだったりする。