「おはようございまーす。お願いします」


病院についてからの手順は慣れたもん。


すっかり顔見知りの受付のお姉さんに手続きをしてもらう。


「はるちゃん、また大人っぽくなったんじゃない?」


このお姉さんはいつも私が嬉しくなることをさらっと言ってくれる。


「ほんと?だってもう高校生になったんだもん」


「そっかぁ、昨日入学式だったの?」


受付のお姉さんの弟が私と同い年なんだよね、確か。


「うん。若くて爽やかな男の先生だったよ、担任」


「楽しくなりそうで良かったね」


お姉さんは、パソコンをカタカタしながらもちゃんと私の話を聞いてくれる。


「よし、入力完了。

はるちゃん、今日から小児科病棟じゃなくなるから気を付けてね。

内科のナースステーションに寄ってね」


『はい』と必要ファイルを手渡された。


そっか、高校生になったから小児科は卒業か。


入院の度に一緒に遊んだ子達と同じ病棟じゃないのは寂しいけど、空いた時間に顔を見せに行こうかな。