「え、転校したの?」


「え?お母さんから転校しますって聞いたけど・・・明花こそ学校も病院も一緒だから聞いたものだと思ってたけど」


「・・・・・・」


お母さんと無言で見つめ合ってしまう。


そして私は再び写真に視線を落とす。


私は・・・。


「私は、何も聞いてない。この子、急にいなくなったんだよ」



 🌸 ・ 🌸 ・ 🌸 ・ 🌸 ・ 🌸



「はるちゃん、宿題終わったらちょっと来てくれる?」


野田さんがドアを少しだけ開けて、顔だけ見せてそう言った。


私が『うん』と小さく返事をすると、ドアを閉めて去って行った。


私は、あと少しだった宿題を終わらせて、息をつく。


野田さんから何の用があるのか、全く見当がつかない。


あんまり気は進まないけど・・・行くか。