「ただいまー」
「おかえりー。手洗ったらちょっとおいで」
「んー?うん」
お母さんの言葉に頭の中に『?』を浮かべながら、手洗いうがいをした後にリビングに入る。
「何?」
「明花、覚えてる?この子」
お母さんに渡されたのは、1冊のアルバム。
そして、写っているのは小学4年生の頃の私。
長期入院が多くて、病院から特別支援学校に通っていた頃だ。
そして・・・隣には同い年くらいの男の子が写ってる。
2人ともすごく楽しそうで、恥ずかしそうで、本人が言うのも変だけど、微笑ましい。
「忘れる訳ないよ。ほぼ毎日一緒にいたんだもん」
「そうよねぇ。そういえば、この子、何年生のときに転校したんだった?」
お母さんの言葉に、私は目が点になる。