ゆっこちゃんの力も強かったけど、男たち3人の力も凄かった。
抵抗なんてするのも無駄だと諦めてしまいそうになるくらい、押さえつけられた腕はビクともせず。馬乗りにされて足も動かない。
「嫌っ! 離して」
「いいね、もっと嫌がってよ。ほらほら」
頬に湿ったものが触れた。
それが、男の舌だと気付いた瞬間、全身が震え、嫌悪感で頭がどうにかなってしまいそうになる。次いで、吐き気。
私、どうしてこんな目にあっているの?
どうしてこんなやつらに抑えられて、酷いことをされなきゃいけないの?
そう思った瞬間、自分でもびっくりするくらいの力が湧いてきて、馬乗りになっている男の股間に蹴りを入れた。
「っ、なにすんだ、おらぁ!」
「それはこっちのセリフだ、触んな!」
「ふざけやがって、こいつ」
「いや、来るな変態」
両手両足をめちゃくちゃに動かしまくったお陰で、男たちから離れることができた。
その代わり、飛び散って割れたグラスが床に散乱している。1つ拾って……。
こいつらにやられるくらいなら、死んでやる。
そう自分の喉元にガラスの破片を突き付けた時だった。
「美波!」



