「ただ、    」






「で? 上手くいったわけだ」


家に帰ると、部屋で博貴が待っていた。

ソファーの上でごろりと横になって、スマホをいじっていた彼は、私を見るなり面白くなさそうにそう言ったのだ。


「まぁ、そういうことになるかな……」

「そういうことって、どういうことだよ」

「だから、えっと」


なにこれ、恥ずかしい!

というか帰るなり博貴に報告するとか、さっきのことを思い出すだけでも顔が熱くなるのに、無理。無理。無理。

どうして今日に限って家に来てるの、いつもはそんなに来ないのに!

そう心の中で叫んだ瞬間、「あ」と思い出した。

そして、なぜ、博貴が面白くなさそうなのか、理解した。


「ごめん、博貴」

「別にー、慌てて病院に駆けつけてやったのに、一言もなく帰ったこととかー、男と消えたこととかー怒ってねぇーし」

「ごめんってば、ね? この通り」

「美波に癖に生意気なんだよ」


あ痛ッ! デコピンされた。

じんじんするけど、これくらいは甘んじで受け入れよう。


「本当にごめんね、病院まで来てくれたんだね」

「そうだよ、迎えがいると思って、兄貴に車出してもらった」

「大貴くんにも謝らないと」