「ただ、    」



つまり、学校1のモテ男として面白くなかったのね。

博貴は変なところでプライド高いからなぁーと、その昔、博貴と大貴くんがバレンタインにどちらがチョコを多く貰ってくるかで勝負して、負けた博貴が家出したことを思い出した。

あんまり可哀想だから、私から2つあげようかと言ったけど、そんなのズルになるからいらないと、他の女の子のところに貰いに行ってたっけ。

いい加減そうにみえて真面目、懐が広そうで実は打算的。

博貴ってそういう奴だ。


「美波は兄貴のことがずっと好きだと思ってたけどなぁ」

「私もそう思ってたよ」

「まあ、大人になったってわけだ」

「博貴に言われるとなんかむかつく」


自分だけさっさと成長したみたいな言い方しちゃってさぁ。


「このあと、どうする?」

「どうって?」

「授業に戻るって感じでもないだろ? 気晴らしにボーリングでも行くか」

「行く!」


でも、確かに私よりはずっと大人だよね。

私の頭をポンポンッと叩いた博貴は、荷物を取ってくるから待ってろ、といい校舎の方へ戻って行った。私の分も取りに行ってくれるらしい。

そうと決まれば、人目に付きやすい中庭じゃなくて校門の方に移動しよう。

博貴にラインして、ついでにいつも学校まで迎えに来てくれる運転手にも今日は来なくていいと連絡して――――と。

スマホから目を離したところ、校門から少し離れた植え込みに小学生くらいの男の子が座っているのが見えた。