「そーんなに、好きなんだ。壱哉のこと」


曲と曲の間、からかうような口調でサリーちゃんが言う。

その声があまりに大きくて、各々喋っていた男性陣も、おお? って感じのリアクションで、こちらに注目する。途端、顔が熱くなった。


「やめてよ、違うし」


恥ずかしいし、照れくさいし。

ついつい素っ気ない答え方をしてしまった私に、サリーちゃんは容赦しないといった感じでさらに追及してくる。


「じゃぁ、どうしてそんなに怒ってるわけ?」

「どうして、って」

「自分以外の女の子と仲良くしてるのを見て、むかついたんでしょ。それって、どうしてなのか分からない?」

「うん……」

「やきもちだよ、美波ちゃんはやきもち妬いたんだよ」







「ちょっと美波、いつまでお風呂に入ってるの? 私も入りたいんだから出てよ」

「待って、まだ髪が、」

「そんなの部屋で乾かせばいいじゃない、早くしないと大貴が迎えに来ちゃう」

「あっ、もうー」


本当、お姉ちゃんは我儘なんだから。

今、私が使ってるバスルームを使わなくても、他の階にもあるんだし、そっちに行けばいいのに。

何かっていうと、こうやっていつも邪魔される。