確か、そんな歌詞だったと思う。

Keyが綴る言葉は、どれもストレートで真っすぐ心に響いて素敵だと思う。

このGLASS HEARTだって、本当は傷ついているのに、それを隠して耐える彼女を励ます歌詞で……。


「っあ」

「気づいた?」

「えっ、あの」

「美波も辛いなら辛いって言えばいいし、傷ついたならそう言えばいいよ。自分の病気がどうとか、相手の気持ちがどうとか、そんなの言い訳にするなよ。もっと自然体でいいんじゃない?」

「……」

「でも、ウジウジしても、すぐに切り替えられるのが良いところだよな」


そういうところ、好きだなって。

壱哉が言うから鼻の奥がツンと痛くなってきて、頬の上を涙が流れた。

どんどん溢れてくる。

こんなことで泣くなんてカッコ悪くて恥ずかしくて、手の甲で拭おうとしたのに、なぜか壱哉に止められて、彼は私の手を自分の顔に持っていく。


「壱哉……?」

「ここが、目」

「え、」

「ここが鼻、口。見えないと不安に思って当然だろ。なら触ればいいじゃん」

「え、ええ! そうだけど!」


急にそんなことされたら、緊張しちゃう。

指先に触れる壱哉の肌は、柔らかくて、温かくて、見えない不安がどんどん溶けていくようだった。


「今日さ、

「……うん?」

「どうして学校に来たかっていうと、あんたのことが気になったからだよ」


ドキンと、胸の辺りで何かが跳ねた。

――壱哉。

涙を拭うはずだった手の甲に優しくキスをされながら、私はきっと彼に夢中になると確信した。