「ただ、    」



手提げかばんを枕にして、芝生の上で寝転がる壱哉は、空が眩しいのか目の辺りを手で覆った。

それがあまりに鬱陶しそうだったので、彼の顔が私の影に入るように座ると。


「お、良い感じ」


満足そうにつぶやき、大きな伸びをした。

程よい風が吹いている。

さっき、教室では機嫌悪そうだったのに、もう直ったのかな。


「試合、出ないの?」

「それがさ、メンバー表みたら補欠扱いだったわ」

「そうなの?」

「まぁ、来るかどうか分からない奴をレギュラーにしたりしないよな」


確かに、そりゃそうだ。

でもせめて応援くらいはしようよ、と言いたいところだけど、私だってメンバーから外されていたら、きっとこうして昼寝してるだろう。

さすがに中庭で、っていう大胆さはないけどね。


「なんか、私も眠たくなっていた……」


気持ちよさそうな壱哉を見ていたら、私もごろんとしたくなる。

今まさに、大胆さはない、なんて思ったところだけど、天気もいいし、芝の感触が心地いいし、えーい、私も。


「あ、やめろ寝転ぶなよ」

「なんで?」

「なんでって、あんたが転んだら影が無くなるだろ。眩しいからここにいろー」

「や、ちょっと! あはは、こしょばさないでよ!」