中に入ると、二人がけに案内される。

「はぁ、私は〜」

歩夏が答える前に私が答える
「アイスカフェオレでしょ?」

「そう。それで、紫衣はアイスココアの生クリーム付き」

お互いにお互いの頼むものもわかってる。



「よくここで話したよね〜。いい事も、悪い事も」

歩夏は遠くを見て話す。


「うん。恋バナ、以外はね」

歩夏と目が合う。

なんとなく、わかる。
歩夏が寂しそうな顔してる気がする。


私たちの飲み物後運ばれてくる。

1口飲めばいつもの味。


高校に入ってからは行ってなかったけど、今でも味は覚えてるもんだよね。

「あ、そうそう。はいこれ」


さっき買ったラッピング袋に入ったパワーストーンを渡す。

「え?これ私にだったの?」

「そう。私とおそろい」


今までおそろいなんてしたことない。

今日が、はじめて。


「…歩夏はあの時私に本音で話してくれた。」

「え?」

「翔太の事が好きだって」


あぁ、とだけ言って下を向く歩夏。

「だけどあの時、私は黙ってた。それは…歩夏と離れたくないから」


だから本音は言えなかった。

いや、言えなかったと言うよりも…考えたくなかったの。


だって考えたら分かってた。

あの時既に翔太の事が好きだってことが。


だけどそれに気づけば、私と歩夏は同じ人を好きになってて…つまり…ライバル関係になってた。