とりあえず落ち着いて下駄を履いて、極力綾瀬を見ないように、
平常心を保とうとしてると、
「じゃ、そろそろ行く?」
と、ものすごく優しい声で聞いてくれる綾瀬。
やばい。私今日、ちゃんと心臓もつかな?
途中で気絶しちゃったらどうしよう。
なんてしょうもないことを考えてると、
「じゃあ、陽葵をよろしくお願いします」
「はい。任せてください」
というママと綾瀬の声と共に綾瀬は前に進み始めた。
急いで綾瀬の隣に並ぶけど、いつもみたいなおふざけモードに全く切り替わらない。
私、綾瀬とどんな感じで話してたっけ?
っていうか、いつもよく普通に会話出来てるな…。
なんて思っちゃうぐらい、緊張からか、言葉が一切出てこない。


