「あ!ごめんなさい!」

あたふたとしながら、小さな女の子があたしの額の具合をみた。
少し切れてしまったらしく、うっすら血がでているようだ。

「レイン!何やってんだお前はっ!!」

飯島が呆れ半分怒り半分で怒鳴った。

「ごめんなさい!」

レインという少女は、あたしの傷の手当て(どこから道具はだしたんだろう)をしながらペコペコと頭を下げている。

あれ?これどっかで見たな・・・

「どーするんだ!最近ミスが多いぞ!というか、インターホンにでろ!」

ギャーギャー飯島は言っている。
これ・・・絶対どっかで・・・



『・・・なんで、ここに?』

『あ、ピアスを落としたらしくて・・・探しに・・・』

『それだろう。今、確かに返したからな。おい、レイン。そいつを記憶処理して帰らせろ。』

『はいっ!』

『え・・・あの・・・』

『ごめんね、少し目を瞑ってね』


頭の中で湧き上がるように映像が流れる。
そうだ、あたし来た。ピアスを探しに此処へ。

それと同時に、壁に貼ってある無地のカレンダーから、でてきた飯島の姿を思い出した。

「あ・・・カレンダー」

思わず口走ると、飯島が驚いたように目を開いた。

「今、なんて言った?」

「え・・・カレンダーから人が・・・」

傷の手当てをしていたレインも驚いた顔をしている。

「思い出したのか!?自力で?」

飯島の表情は困惑に満ちていた。