あたしはお気に入りのピアスをしっかりとポーチにしまって、鼻歌を歌いながら家に帰った。

「おかえり~ピアスは見つかったの?」
姉がテレビをみながらあたしに聞いた。

「うん。道に落ちてたぁ」

「へぇ?よく見つかったね。落ちてるやつなんて。」

「でしょっ!目いいから。あたし。」

姉は関心したかのように、あたしの顔をのぞきこんだ。

自分の部屋に戻ると、あたしはベッドに思い切りダイブした。
右ポケットから携帯を取り出す。


 返事遅れてごめーん!
 明後日、何時待ち合わせにする?
 佳織の好きな時間でいいよー


しばらくすると、メール受信音が部屋に響いた。


 じゃあ、10時に駅でどう?
 早いようなら遅くするしー


 10時ね?いいよー
 そういえば、ピアス見つかったんだー


 ほんと?
 良かったじゃん!!
 昨日散々ショックうけてたもんねー


ベッドの上で転がったまま、携帯の画面とずっと向き合う。

普段の睡眠不足からか、いつしかそのまま寝てしまった。



 レインーーーーー!!!!!!



夢の中で誰かの声が聞こえた気がした。