私には、お姉ちゃんと同じ高校に入学する気はなかった。
そもそも入りたかったのは、県外の公立の高校で、そこに入るためにたくさん勉強してきた。
偏差値はさほど変わらないけれど、お姉ちゃんが通っていたのは私立だ。
だけど今こうして、遺影の向こうのお姉ちゃんと同じ制服を着ているなんて。
本当に……、何の冗談なんだろうね。
〝ここ〟に進路を変更したのは、受験ギリギリの冬のことだった。
でも私の決意に、嘘も後悔もないのは本当。
私はただ、お姉ちゃんが大好きだった高校に通いたい、そしてお姉ちゃんの好きだった〝あの人〟に会いたい……
そしてどんな小さなことでも、あの事件の真相に繋がるものを知りたい。
どうせなら、もっと夢中に、自由になって、生きてみたいと思ったんだ。

