窓の外は、雲ひとつない爽やかな青空。



外を歩いていく子どもたちの声や、ランドセルに付けているのだろう鈴の音が、新学期の始まりを告げているのだと思った。



私は部屋の全身鏡の前で、新しい制服に袖を通していた。


白いシャツと、赤と緑のチェック柄のリボン、そしてリボンと同じ柄のプリーツスカート。

そして胸に金色の校章が印字された、黒のジャケット。


羽織った時に、ふわり、と新品特有の香りがした。




ああ、始まるんだな…



なんて思いながら鏡に映る私の表情は、少し緊張してるみたいだ。




「灯里!起きたー?」



階段の下から、お母さんの呼ぶ声が聞こえる。