亜夢はそう言うと真っ直ぐに私の目を見る。

「…わかった。心配してくれてありがとう。

亜夢。」

こんなに真剣に言ってくれる訳


それは…


亜夢自身も似たような経験をしたから。


陽龍に聞いた話だが、

亜夢の父親は元暴走族・副総長。


母親も元レディース・副総長。


現在は両親ともにギャンブル中毒。



そんなギャンブルに溺れた両親を持つ亜夢は小さい頃から両親の元へと未だ続く当時の敵チームからの嫌がらせに幾度となく巻き込まれてきたそうだ。


今は引き取られた祖母の家で生活をしている。



その経験を私にして欲しくないという想いから

私にこんなに真剣に向き合ってくれている。



私は少しだけ震える亜夢をぎゅっと抱きしめた。