肝試しの夜から

そして今は3日目の午前中、生徒達は海で遊んでいた。3日目は午前中は海で遊び、昼食を済ませて帰る事になっている。

 今俺は遊び疲れて休憩しているところだ。昨夜の事もあって少し疲れているようだ。
 しばらくボーッとしてると声をかけられた。

「隣、いいですか?」

 園田だった。

「どうぞ」

 園田は「失礼します」と声をかけて座った。しばらく会話はなかった。俺は口を開いた。

「いいのか?ベストカップルに選ばれた俺たちが一緒にいると冷やかしとか受けるぞ」

 俺は冷やかしとかネタにされるのは好きではない。まぁそれは誰だって同じだろう。

「馬野君は嫌ですか?」
「……………」
「ごめんなさい。こんな聞き方はズルかったですね。実は友達から今馬野君が一人だから行って来いて言われて」

 女子達の考えはよくわからない。たかがベストカップル賞に選ばれただけで俺たちは付き合っているわけではない。なのにどうして二人っきりにさせるのか。

「嫌だったら戻ってもいいんだぞ。俺がしてやれる事は何もないし」

 嫌がるヤツと一緒にいてもしょうがない。離れるよう促したが思ってもない言葉が来た。

「馬野君も私が来た時にどうして断らなかったんですか?」

 痛いところを付かれた。確かに冷やかしや、からかわれるのが嫌なら断ればよかった。

「なんでだろうな。俺にもよくわからない」

 そう答えてまた無言になった。なんだろうか、このよくわからない空気は。

「昨日馬野君と初めて知り合ったばかりだからあなたの事はよく知りません。でも少しだけだけど会話して、肝試しで守ってくれて、それだけだけど私は嫌じゃないです」

 どうして昨日知り合った人間に対してそんな事を想えるのか。
 
「…………」

 俺は考えた。園田がここまで言ったんだ。俺も誠意を見せないと。