「はぁ……先生達よくいろんな物用意してきましたね」
「先生達はこの修学旅行に力を入れてるのは肝試しなのか?」
「う~他の事に力を入れて欲しいです」
「そうだな、けどもうすぐゴールのはずだ頑張れ」
「はい!」

 と歩いていると

「よぉ」
「!」
「きゃああああ」

 懐中電灯の明かりを顔の下から当てている人が出てきた。よく見たら数学の先生だ。

「ちょっと止まってくれ」

 俺たちは言う通りに止まった。

「なにかあったんですか」
 
 前の組が遅くてなこのままだと合流するから待ってくれ」
 まさかの調整かよ。よく見たら先生トランシーバー持ってる……。先生がトランシーバーで何か会話したあと「行っていいよ」と言ったので俺たちは歩きだした。

「合流しないように調整するなんて……徹底してますね」
「これじゃあ本当に肝試しに力入れてるのは確定かな」

 と、歩いていると森林ばかりの景色から宿泊施設が見えてきた。

「ふぅ、もう終わりか」
「はぁ~よかった」

 どうやら終わりが見えて園田も力が抜けたようだ。強く握られていた手が少し緩んだのを感じだ。

「ん?」

 まっすぐ歩いていると白い物体が見える。見てみると布を被っているように見える。最後の脅かし役か?でもなんで隠れないんだ。
 よくみると顔がある位置に般若の仮面がついている。そして俺たちが近づくと両腕を大きく横に広げて道を塞いだ。
 脅かし役の先生は何もしゃべらない。まさか本物の幽霊じゃないだろうな。

「………っ!」

 園田は俺の手をまた強く握り返した。脅かしてこなかったとはいえこんな不気味なやつ怖いだろう。

「こっちだ」

 幸い道は少し広いので避けて進む事にした。だが避けて進んだ方向にお化けが塞いできた。逆側の方へ行ことうとすると同じように塞いできた。これじゃあ先に進めない。

「園田、走って逃げるぞ。準備はいいか」
「! ……大丈夫です」

 俺たちは道の真ん中の位置まで下がってそして走り出した。
やはりお化けは襲いかかってきた。俺は園田を庇うように走り続け気がついたら宿泊施設が目の前だった。