割と大きめの声で"大好き"なんて言ってしまったものだから、店中の視線を集めていた。


いや、視線の先は黒瀬先輩。


1番近くの女の子は目を輝かせながら、"素敵…"と呟いていた。


あなたの彼氏も素敵ですよ!と言って、現実に引き戻してあげた方がいいかな。



「さすが春嶋ちゃん!!」


野次を飛ばしてきた相馬先輩に舌を出して答える。


「黒瀬先輩、ごめんなさい」


「いや?楽しくて良いよ」


周囲の視線など気にもせずジェラートを食べる先輩は笑ってくれる。


「好き」


先輩の全部が好きだ。


その口から発せられる言葉の全てが、仕草や表情の全てがーー大好きだ。


本当に困るよ、先輩…。



「ありがとう」


いつものありがとう。

心落ち着くそのありがとうに、ただただ幸せな気持ちになった。