写真付きのメニューを端から端まで目を通す。
バニラ、チョコレート、ストロベリーの定番の味から、ハワイアンセレクションなんてものもある。
中でも1番気になっている店長のオススメは特大サイズのプレミアムジェラートで、"恋人とシェアして食べよう!"なんていうコメント付きだ。
「決めた?」
注文票を持った店員さんがテーブルの側に控えている。
「それじゃぁ、ラズベリーミックスで」
「プレミアムジェラートはどうかな」
「え?」
「せっかくだからさ」
黒瀬先輩に推される形でプレミアムジェラートを注文した。
ひとつのジェラートを2人で共有する。
それってもう本当にデートじゃない?
店内を見渡してもプレミアムジェラートを頼んでいるカップルは少なく、特別な気分になった。
私たちって恋人同士以上に、恋人っぽいことしてるのかな。なんて些細なことで嬉しくなってしまうのだ。



