いつもは満員電車で先輩と並んで立っている。
けれど夕方の車内は空いていて、黒瀬先輩の隣りに座ることができた。
新鮮だな。
「雅美ちゃんはジェラート好き?」
「……」
「ストロベリーチョコがオススメだよ」
「……」
「あれ?誰と行ったか聞かないの?気にならない?」
「……」
向かい側の席で相馬先輩の独り言が虚しく響く。
それでも必死に話し掛ける彼を黒瀬先輩は楽しそうに眺めていた。リラックスした表情だ。
「やっぱり雅美ちゃんも、俺じゃなくて黒瀬タイプかぁ」
わざとらしい溜息をついた相馬先輩は、私を見た。
「でも残念。良斗は春嶋ちゃんのモノだから。ね?」
"ね?"と言われましても。
非常に反応に困ります。
「そうなの?」
そしてあろうことか今まで黙っていた雅美が反応した。
このタイミングで??



