ーー昼休み。

今日は1人で食べると机に伏してしまった雅美を置いて、先輩の教室に走る。


「黒瀬先輩…」


早く会いたくて乱れた呼吸もそのままに教室を覗くが、先輩の姿はなかった。


しまった、いつものように食堂に直行すべきだった。


慌てて食堂に向かったものの、そこにも黒瀬先輩の姿は無い。


どこにいるんだろう…。


再び3年A組を訪ね、先輩が席にいないことを確認していると、


不意に肩を叩かれた。



「どうしたの?」


振り返ると、パーマ頭の男子生徒の顔が間近に迫っていた。


近っ…!


「く、黒瀬先輩は…」


「知りたい?」


一歩後退しながら、頷く。


制服のボタンが半分くらい外され、日に焼けた肌が見える。
目のやり場に困り、視線を外すと彼は言った。



「鈴宮先生のところ」


「職員室?」


「ううん、英語準備室」


「ありがとうございます!」


頭を下げ、1階下の英語準備室に走る。


授業準備の手伝いでもしているのだろうか。