春嶋 菜子(はるしま なこ)
高校2年生。
記念すべき高校デビューの際に、初めて髪を染めて思い切ってピアスも開けた。メイクも覚えて、ネイルだってバッチリ。
決して美人とは言えないけれど、可愛い制服のおかげで2割増しくらいには見えるかも。
そんな気合いバッチリな私の朝は、自宅の4つ隣りの駅、"桜ヶ峰(さくらがみね)駅"から始まる。
彼の性格なのか毎朝同じ時刻に改札をくぐり、同じ電車に乗って登校しているため、待ち伏せする側としては非常に助かるんだよね。
数分の誤差もないのです。
あ、来た来た!
やっぱり今日も時間通り。
腕時計から黒瀬先輩に視線を戻す。
寝癖ひとつない整えられたストレートな黒髪に、着崩すことのない制服と、きちんと結ばれたネクタイ。
「黒瀬先輩!おはようございます」
いつもと同じ朝が始まった。