名残惜しい気持ちはあったけれど、2人に手を振る。

最後は仁くんと向き合おうと、目を合わせれば、彼は手を振り返して見送ってくれた。



「2人とも、またね!」


頷いた父と、
「気を付けてね」と返してくれた彼に後ろ髪を引かれる。


大好きだった。
その好きは変わらずに今も私の心に在る。


私の仁くんへの気持ちは、何も変わっていない。
これからも変わらない。



「またすぐに会いに来るね」



もう一度2人に手を振って、前を向く。



両親の望む通りにはできなかったけれど、2人に恥じない生き方をしたいな。