翌朝、体育祭当日。


テーピングで足を固定し、痛み止めも塗った。飲み薬も持った。

大丈夫、走れる。


支度を終えたところで、携帯の着信音が鳴った。


『おはよう』


「仁くん、おはよう」


『空港に着いたよ。本社に寄ってからすぐに学校に向かうから』


「忙しいのにごめんね」


『リレーと騎馬戦だよね。遅れずに行く』


「ありがとう。仁くんに伝えたいことがあるから、後で時間もらえますか?」


『うん。分かった』



きっと今日は私にとって、特別な1日になる。


後悔は絶対にしたくない。