そのまま一言も言葉を交わさずに駅まで先輩におぶさって進んだ。
怒っているかな。
聞きたいのに、聞けない。
まだ答えを出せていない身で、先走って行動し過ぎだ。
さすがにやりすぎたよね。
「走る順番を変えたんだ」
「え?」
「相手チームの順番を予測してね。俺はアンカーで君はその前」
「先輩にバトンを繋ぐってことですね」
「そうなるね」
私は雅美のようにカッコよくは走れないけれど、絶対に転ばないようにしよう。
「黒瀬先輩。先輩の無事にバトンを繋いだら、先日の答えを伝えてもいいですか」
夏休み明け?
ううん、もう答えは出ている。
幼馴染と初恋。
私が選ぶのはーー
「うん、待ってる」



