隣街の大きめの公園で不機嫌丸出しの雅美に説教を受ける。
「どうしてできないことを言うのよ」
「やろうと思って手を挙げたの」
「余計なことを。私が走れば良かったでしょう」
「いいでしょ!」
「そんな猫背なフォームじゃ、またこけるわよ!前を見て!腕上げる!」
なんだかんだ言っても練習に付き合ってくれるんだよね。
体育祭は明日だし、1日練習したところで何かが劇的に変わるわけではないけれど、じっとしているよりはマシだ。
陽は落ちて真っ暗になっても、街灯の明かりの下で練習をした。
「休憩しない?」
砂利を踏む音が聞こえ、コンビニの袋を提げた黒瀬先輩が立っていた。
「良かったらどうぞ」
バイト帰りの先輩はホットスナックを差し入れてくれた。



