デザートは私の好きなミルクレープだった。

それもホールケーキとして、ローソクも立っている。


「17歳のお誕生日、おめでとう」


「ありがとう!こんな素敵なお誕生日にしてくれて」


「喜んでくれて僕も嬉しいよ。たくさん食べて。デザートは別腹でしょ」


「うん!いただきます!!」


後少しすれば、一緒に食卓を囲む日常が待っている。

温かく優しい食卓だ。


これからもお互いの誕生日を祝って、幸せを噛みしめるのだ。


「すっごく美味しい!」


「僕には少し甘すぎるな」


仁くんは口直しにコーヒーを飲む。


「私にはブラックコーヒーが苦すぎるよ」


「それならミルク入れる?」


「入れる」


たっぷりミルクの入ったコーヒーは、それでも少し苦かった。