しまった……言い過ぎた……よな?

俺の言葉に傷付いたのか?
泣きそうな顔でうつむいてじっとして動かない鈴加に、俺は焦っていた。

何て言えばいいんだ?
相良ならもっとうまくやり過ごすんだろうが……。
もしかして泣いてるのか?

気になって鈴加の小さな顎に手をかけた。
鈴加はされるがままに顔をあげて俺を見上げる。
その瞳には涙が膜を張っていて、まばたきしたらすぐにでも落ちてきそうだった。

「ごめん。鈴加が一番辛かったよな……今でも辛いんだもんな。よくひとりで頑張った。偉いよ鈴加。」

俺って情けない。
気の利いたことひとつ言えない。
こんなんで鈴加に好かれようなんて……。

それでも離したくない。

俺はついに泣き出した鈴加をぎゅっと抱きしめた。
鈴加は俺の腕の中で肩を震わせて静かに泣いた。
声をあげて泣きわめけばいいのに……
ただ静かに……俺の胸に額を押しつけて泣き続けて……疲れて眠ってしまった。
まるで小さな子どもみたいに。

軽い鈴加を、俺はそっとベッドに運んだ。
そのまま鈴加は朝まで目を覚まさなかった。
夢の中でまで泣かないでほしい。

これからは俺がいる。

その夜、俺は眠る鈴加をずっと見ていた。
入院させた時とは違う、俺は確信した。

鈴加が……好きだ。
俺は鈴加を愛してる。
鈴加は俺のだ!