しまった……。
やってしまった。

ヤバイよなぁ~今のは……

俺が鈴加のことをフィアンセとか婚約者とか言う度にあいつか真っ赤になって恥ずかしがるのが可愛すぎる!!

おまけに本当にすぐ転ぶ。
それもまた可愛い!

もしかして?俺ってロリコンなのか?
鈴加がちっちゃいから可愛いのか?
違うよな?
鈴加だから可愛いんだよな?

しかし、今のはヤバイ……

あいつを抱き上げたらすごく良い匂いがして、めちゃくちゃやわらかくて抱き潰したくなっちまった……

本当は今すぐにでもキスしたい!

でも同棲、いや!同居を始めたばかりの今夜からあいつに手を出すのはヤバイ……

親父にばれたら即結婚式だ!

せめて同意を得てからにしないと……

これじゃぁ俺が一方的に襲ってるみたいになっちまう!
それだけはダメだ!

やっと俺のテリトリーに引き入れたんだ!
失敗は許されない!
しっかりしろよ!俺!

俺はリビングまで続く廊下を歩きながら必死で理性を総動員させる。

すぐ後ろを鈴加が素直についてくる足音を感じて、すぐにでも振り向いてまた抱きしめたい気持ちになるのを我慢すべく、明日予定されている胃ガンの腫瘍摘出手順を頭の中で必死にさらっていた。