はつ恋の君をさがしてる

こっそりと笑った後はまたお互いに沈黙してしまう。
これではいけない気がする。

「よし！夕食まではまだ時間がありますし、ちょっと質問タイムにしませんか？」
「質問タイム？」
「はい！お互いを知る第一歩です！気になってる事とか聞いてもいいですか？」

私のお願いに最初は不審顔だった高嶺さんだけど、お互いに改めて自己紹介する意味でも質問タイムにしよう！と強引に説き伏せてしまった。

私は高嶺さんから了解をもらうと急いで部屋からノートとペンを取ってきた。
高嶺さんがなんだ？と覗き込んでくるので、秘密です！と必死になって隠した。

「では！始めます！」

鈴加：名前と年齢は？
高嶺：平原高嶺。３３才 独身 職業は外科医だ。お前は？
鈴加：澤田鈴加 ２３才独身です、仕事は保険会社の事務員です。高嶺さんって大きいですよね？身長は何センチあるんですか？
高嶺：たぶん185位かな？高校の頃に測定したっきりだけど？鈴加はちんまいよなぁ？ちゃんと食べてるのか？
鈴加：それって失礼ですよ！ちゃんと食べてましたけど伸びないんです！身長は140はありますから！去年の職場の健康診断で測定したので間違いありません！
高嶺：なに!？ちんまりしてるとは思っていたが、小学生並だとは……俺と４０センチ以上違うんだなぁ～それはさすがに…ヤバイなぁ…
鈴加：なにがヤバイんですか？まぁ確かに並んだら私なんて視界から消えちゃうサイズでしょうけど……。

自分で言ってて悲しくなる。
なのに高嶺さんってば、無言で考え込んじゃうし……。

鈴加：あの？続けていいですか？
高嶺：あ…あぁ良いぞ？まだあるのか？

鈴加：えっと、食べ物の好き嫌いとかはありますか？ちなみに私は生姜がだめです。
高嶺：好き嫌いか？う～ん。だいたいなんでも食べるからなぁ～そうだなぁ……グリーンピースはだめだな、あれだけは食えなない！まめご飯は断固拒否だからな！

と、かなり嫌そうな顔で宣言した。