はつ恋の君をさがしてる

「う~ん……はぁ~」
昨夜は遅くまで作業していただけにさすがに早起きは辛い……。
時刻は5時を回ったところだ。

それでもなんとか起き上がって身支度を整えると、昨日のうちにコンビニで購入した菓子パンとオレンジジュースで朝食を済ませる。
置いていく冷蔵庫の中身はほとんど処分したので、今日のための飲み物しか入ってない。

「よし!みんなが来るまでにもう少し荷造り頑張らなくちゃ!」

私はひとりで気合いを入れるとキッチンの食器棚からお気に入りの物だけを選び出して丁寧に梱包していく作業に没頭し始めた。

数時間頑張ってほとんどの食器を梱包し終えると、テーブル上が新聞紙で包まれた食器でいっぱいになっていた。

「さすがに多すぎるかな?高嶺さんは何でも好きなだけ持ってきても良いよなんて言ってたけど……」

ちょっと悩む。

食器は両親と使ってたものや祖父母のお気に入りまで、使いきれないほど食器棚に入っていたけれど、どれも私には大切な思い出の品だし…。

「とりあえず持っていく!置けなかったらその時考える!」

どうしても譲れないものや気持ちがあるんだから、これは仕方ないよね?
後で後悔したくない。

ひとりで考えてる間にも時間はあっという間に過ぎていく、気が付いたら玄関のチャイムが鳴っていた!