はつ恋の君をさがしてる

翌日も仕事が終わってからは荷造りに勤しんだ。
本当に時間がないから焦る。

明日の朝には平原さんが社員さんたちをつれて引っ越し作業をしに来てしまう。
それまでに荷造りしようと躍起になっていた。

たいして無いと思っていても6年近く住んでいた訳だからそれなりに荷物があったのでびっくりした。

洋服や下着は人に見られたくなくてボストンバック等に無理やり詰め込んだ。
数枚しかないスーツやワンピースなどはハンガーのままで運ぶことにした。
仏壇もそのまま運んでもらう。


「あとはキッチン……。」

すでに時間は深夜3時半。

さすがに疲れた。

今から頑張ってもキッチンの食器や調理道具を全て荷造りするのは無理だよね?

うん…。あきらめよう。

潔くあきらめた私は残りの時間を睡眠に回すことにして、慣れたベッドに沈みこんだ。
途端に疲れきった体がきしむ。

私はすぐに眠りの国の住人になっていた。