はつ恋の君をさがしてる

しばらく考えた後でなんとか口を開く。
きちんと伝えなくちゃいけない。
高嶺さんが今の気持ちを正直に話してくれたみたいに、私も……。

「え~っと、あの……アパートはすぐにでも出なくちゃ行けなくて、でも、だからと言っていきなり高嶺さんと結婚するのはやっぱり無理です。」

……。

「だけど!私も高嶺さんのことは嫌いな訳ではないんです。と…思います。だからあの……厚かましいお願いだと思うんですけど、もう少し時間が欲しいと言うか…お互いを知ることから始めませんか?」

私がかなり頑張って吐き出した言葉に平原さんは微笑み、高嶺さんはほっと息をついた。

「なるほど…わかりました。それで具体的には?」

平原さんの探るような口調に私は深呼吸をしてから話を続ける

「あの……お試し同居ってのはダメでしょうか?」

「お試し同居?」

私の提案に高嶺さんがキョトンとする。
やっぱり無理かな?

ちょっと弱気になる。

沈黙……。

難しいなぁ~ダメなら早く言ってよ!