はつ恋の君をさがしてる

「ところで?鈴加ちゃんはたべたのかい?」

平原さんが言った高嶺さんの様子に苦笑しながら聞いてくれたが、私は咄嗟に先に食べたことにして返事をして、高嶺さんにおかわりを勧めた。

高嶺さんは素直に茶碗を差し出すのでなんだか可愛くて笑ってしまう。

受け取った茶碗に山盛りにごはんをつけて渡すと、照れながらありがとうと言ってくれてなんだか胸がほんのり温かくなった気がした。

二人が夕食を終えるとテーブルのお皿は全て気持ちいいくらいに空っぽになっていた。

それを簡単に片付けてインスタントのコーヒーを入れる。

三人で座るためにベッドがある方の部屋に移動して、ソファー代りに二人にはベッドに座ってもらい、私は床に座る。

そして平原さんから話が始まった。

「鈴加ちゃんはどうしたい?この2日の間に少しは落ち着いて考えられたかな?」

優しい平原さんの声に高嶺さんがさらに続く。

「俺も考えた。お前を放ってはおけない!今はお前に恋愛感情があるのかどうか……自分でも分からない。でも…その……なんか気になってる……。」

言葉を選ぶようにゆっくり話す高嶺さんを見るのは初めてかも?
私をじっと見るその瞳は黒曜石のようで、見つめられると絡めとられたみたいな気分になってちょっと怖い。

短めの黒髪に整った顔立ち。
身長は180は軽く越えてそうだし、小さい私が隣に並ぶとかなりの凸凹で、お互いに立ったままでは会話も大変なくらいだ。

こんな格好いい長身のイケメンでおまけにお医者さんなら、私なんかじゃなくても女性にモテモテのはずだよね?

私はどう答えようか?
また悩む。