んもう……。 響くんって、ほんっとマイペースなんだから。 でも、そういうところは嫌いじゃない。 自由にやってくれた方が、私も気を遣わなくていいし楽だから。 響くんを待っている間、池の鯉でも眺めとこう。 ベンチから立ち、池の周りをぐるりと囲むフェンスに手をつけた。 そういえば小さいころによく、お母さんとお姉ちゃんと一緒に鯉に食パンをあげたりしてたなぁ。 鯉がのんびりと泳ぐ水面を見下ろしていると、「あはははは!」という明るい声が後ろから聞こえてきた。