と思っても、帰らないわけにもいかないから。

鉛のように重たい足を引きずりながら、賑やかな声で溢れる靴箱についた。



「お、逃げずにちゃんと来たんだな?」



するとやっぱり、私の靴箱の前には早瀬くんがいた。



「まぁ……靴を履かずには帰れないし…。決してデートをするつもりで来たわけじゃないですから」



われながら、可愛くないセリフだ。

だけどこれくらいは、冷たく言っておかなきゃ。



あなたと仲良くする気は一切ありません。

そう、ぴしゃりと線は引いておくんだ。