響くんと一緒に料理だなんて、なんだかワクワクする!



「えいっ!えいっ!」

「ちょ……危なっかしいって。そんな切り方してたら指切るぞ」

「じゃあどうしたらいいの?」



すぐとなりに立って、人参を切る私の手元を覗きこんでいた響くんが、私の背後に回った。



「左手はこう……指を丸めて…」



響くんの左手が、私の左手の甲に重なる。

私の背中に響くんの身体が密着して、まるで後ろから抱きしめられているみたい。



ただ野菜の切り方を教わっているだけなのに、ドクドクと胸が騒ぎはじめる。



「そうそう。ちゃんと指丸めとかなきゃ、包丁でザクッと切っちまうぞ」

「わ、わかった……」