響くんは都会生まれの都会育ちだから、背の高いビルやマンションがない景色は見慣れないみたい。 私の手を握りながら、視線をあちこちに配らせている。 「さぁ、どうぞっ!汚い家だけど…」 車どおりも人どおりも少ない道をまっすぐ歩いていると、あっという間に道路沿いにある私の家についた。 「おぉ〜、ここが満瑠が生まれ育った家かぁ」 私の家は、響くんの家とは違って広くもないし築年数も古いから綺麗じゃない。 「おじゃましまーす」 だけど響くんは、そんなことは気にする様子もなく靴を脱いでいた。