はじめて、嬉し涙なんてものを流した。

悲しい涙しか知らなかったこの私が。



響くんに出会うまでは、私なんて存在価値のない人間だと思っていたから。



だけど響くんに出会って、私にもちょっとだけいいところがあるんだって知って。

自分のこと、ほんの少しだけ好きになれたんだもん。



そう思えるようになれたのは、他の誰でもなく響くんのおかげ。

私だって、響くんのことが大好きだよ。



「私も……私も、響くんのことが好きですっ!私でよければっ、その……お、お願いしますっ!」

「はぁ…やっと聞けた。どうしても、お前からその言葉を引き出したかったんだよな」



響くんにぐしゃぐしゃと、髪の毛をかき回すように頭を撫でられた。

そして喜びを噛み締めるように、きつく抱きしめられた。