いつの間に背後にいたの?
私にバレないように、音を殺していたの?
追いかけられていることにも、まったく気が付かなかった。
「めちゃくちゃ電話ならしたんだけど?」
電話がなっていたことにも気が付かなかった。
私が座っているブランコのチェーンを片手に握り、ため息を落とす響くんの様子はいつもと変わらない。
「なんで……来たの…?」
「話しがしたかったから」
話しがしたい…?
それはつまり、ブサイクな私の素顔についての……ってこと?
きっとそうだよね。
このタイミングで、話しがしたいってそれしかないよね。


