どうして……?
わざわざ、私の過去を知る人がひとりもいない県外まできたのに。
なんで……?
私はまた、ここでもブサイクだって冷たい目で見られるようになるの?
「うぅぅぅっ……」
泣きながら、走って走って走り続けて。
いつの間にか住宅街まで来ていて、小さな公園の前にいた。
ここがどこなのか、まったくわからない。
わからないけど、しばらくこのブランコとすべり台、シーソーしかない小さな公園にいよう…。
ここちゃんと、どんな顔をして会えばいいのかもわからないし…。
何よりもいちばん、響くんに会いたくない。
私の素顔と、過去を知ってしまった、響くんの反応が怖いから。


