「ごめんなさい、響くん。動物園に戻ってサイフの落し物がないか聞いてくるから、先に帰っててください!」 今から動物園まで引き返せば、確実に門限を過ぎてしまうことになる。 私の不注意で門限を破ってしまうことになるのに。 それなのに響くんまで巻き込むわけにはいかない。 「待て。俺も行く」 さっと背を向け1歩を踏み出したところで、響くんに肩を掴まれた。