声の主は響くんだ。

私の机を平手でバシンと叩くと、九折くんを攻撃的に睨んでいる。



「え……でもさっき、漆島が明日は暇だって言ってたけど」

「暇じゃねぇ!たった今、満瑠には明日の予定ができたんだよ!」



いやいやいや。

本当に明日はなんの予定もないんだけど?



「あのね、響くん。私明日は…」

「九折、明日は諦めな。満瑠は休みの日はめちゃくちゃ多忙なんだよ。だからもう誘うなよ」



って、私の話しなんてまったく聞いてないし。



「はいはい、わかったわかった」



九折くんは呆れたようにため息をこぼすと、めんどくさいとばかりに私のそばをすっと離れていった。