「きゃーっ、すごーい!かっこいいーっ!」



私と奈央ちゃんに噂されていることに気づきもしないここちゃんは、響くんのそばでなにやら騒いでいる。



「なんだよ、いちいちうるせぇっての」

「ねぇ、いつからそんなことできるようになったの!?」



白いマットの上で、軽やかにバク転やバク宙をこなす響くんに熱視線を注いでいた。



「うわぁ、響くんすごい……」



男子に出されたお題は側転、バク転、バク宙だけど。

その全てをやってのけたのは、ただひとり響くんだけみたい。



ここちゃんだけではなくてその他のクラスメイトも、先生までも響くんに注目していた。