本当の私はブサイクなんだよって。

いじめられっ子なんだよって。



知られて、嫌われたくないんだよ。



「響くんには言えないよ」



本当は響くんのこと好きなの。

だけど私って、メイクを落とすと一重だしぜんぜん可愛くないの。



そう、笑いながら言える勇気がもてればいいのに。



「俺には心を開けないってこと?」



そう聞き返した響くんの声は、寂しそうだ。

声だけではなくて、八の字に眉を下げたその表情も寂しそうだった。



「うん……、ごめんなさい」

「どうしても?」

「……うん」