「ねぇ満瑠」 「なぁに、奈央ちゃん」 お風呂上がり。 セミロングの茶髪をドライヤーの温風でなびかせていると、スマホを眺めながら奈央ちゃんが話しかけてきた。 「さっきからちょくちょくラインしてるみたいだけど、それって響としてたりする?」 「いや……九折くんだけど?」 帰り道に、九折くんから連絡先を聞かれたから教えておいた。 「そっかー。満瑠は、もう響と仲直りするつもりはないの?」